鎖

乃南アサの「鎖」（新潮ミステリー倶楽部）を読む。
以前読んだ、「凍える牙」の続編。
今回は、ヒロインの音道貴子巡査長が、馬鹿な相方のせいで殺人犯グループに拉致監禁され、6日間必死に闘うというストーリー。
594ページくらいあって、読むのに丸2日費やした。
これの前に、短編集か何かで音道巡査長の話があるはずなので、今度読んでみないとね。
それはさておき、今回は滝沢刑事と組んだ事件から何年か経過しており、貴子には恋人ができておった。
自分の所属する署では、結構いいムードで仕事をできていたらしいが、占い師が信者とともに殺されていた事件を担当することになってしまい、こんなハメに。
相方・星野は貴子とともにバツイチで（星野には子供がいるけど）、「僕たちわかりあえるよ」とかなんとか勝手に思い込んで、貴子に告白。が、撃沈。逆恨みして、嫌がらせをしてくる、ガキみたいな男であった。
こいつの振る舞いで、単独行動をしなくてはならなくなった貴子は、以前自分が担当した事件の被害者である女性と再会し、そのせいで事件に巻き込まれてしまった。

6日間も監禁され、大変だったろうねえ・・・しみじみ。
人質の分際で、着替えも入浴もできるわけがないしな。トイレは大丈夫。便器に鎖でつながれてたから。
知り合いだった女性はいい人なのか悪い人なのか分からないが、すごい生い立ちの持ち主で、とりあえず食べるものは提供してくれた。
殺されそうになったときも襲われそうになったときも助けてくれたしね。
でも、逃げようとそそのかしても、同意してくれなかったことにより、何度もチャンスをふいにしてしもうた。そのせいで、6日間も監禁。
最後なんて警察が不用意に投光機を使っちゃったもんだから、犯人グループも動揺して、立てこもり作戦をすることに。
殺人の実行犯は「死刑は嫌だ、ロスに行くんだぁー！」とか言って暴れるし、全く困ったもんだ。

というわけで、もちろんヒロインなので無事に救出されたが、一躍時の人となってしまった貴子チャン。
こんな風に有名になるなんて、自分も家族も大変だ。
被害者なのに、余計傷つくっちゅうの。
やっぱ、事件に巻き込まれないようにしたいもんですね。（どうやってよ？）