大いなる聴衆

永井するみさんの本を読む。
ずいぶん前に借りた本じゃないか？？
休館中だということを言い訳にして、かなりの期間借りっぱなしです。スマン！

この本は、ベートーベンのハンマークラヴィーアを完璧に弾かないと、誘拐した婚約者をどうにかしちゃうゾっていう話で、犯人は誰やねん？そして、完璧に弾くことはできるのか？といった流れやね。
語り手は二人いて、一人は北海道在住の音楽イベント会社勤務の千堂紫ちゃん。30過ぎてんのに、なんともハイカラな名前です。
彼女は大学時代の同級生の天才ピアニスト・安積界を苦心の末札幌音楽祭のシリーズコンサートに招致することに成功したんだけど、こういった事件に巻き込まれちゃうわけだね。彼女はずっと界のことが好きだったんだけど、ルームメイトの奈々穂ちゃんに奪われてしまったのでした。
それにしても、安積界なんて、芸名かよ！！ってくらいのハイカラっぷり。本名です。
もう一人の語り手は、ロンドンを拠点に活動している界の所属する音楽事務所の専属マネージャー・衛藤。この人はゲイだと気付いたので海外に移住したらしい。彼もまた、界のことが好きだったりする。ジェイミーとかいうほれぼれするボディの持ち主と同棲しているくせにね。
まあ、他にも色々登場人物はいるんだけど、タイトルがキーワードになっていて、悪いのは「無意識」ってことになりますな。無意識、無自覚の罪です。
最後は誘拐された婚約者は助かるんだけど、決して誰も幸せにはなっていないよね。かわいそうにね。