★『疾風独楽』柏田道夫★★
柏田さんの本、初めて読みました。というか、お名前すら知りませんでした。
最近妙に時代小説を読む機会が多いので、その一環(?)で手に取ってみたんですが、久しぶりに男の人が書く時代物を読んだので、なんだか新鮮でした。
人物像が結構リアルというか、主人公にも厳しいストーリー展開になっているので。

同心の好青年・沢木様にホの字のお駒は15歳。香具師松井源水の娘で、自身も独楽を回す曲芸で舞台に立っている。香具師のくせして十手を預かるようになった松井源水は、近頃巷を騒がせている連続香具師殺しの犯人を追っていた・・・というところから物語はスタート。
元の女房で、お駒の母を何者かに殺され、その下手人もついでに探そうっていう魂胆らしいですが、敵対する香具師の元締めや今は表舞台に出てこない紀伊国屋文左衛門が出てきたり。お駒の出生の秘密なんぞも出てきて、推理モノとしてもなかなか面白く読めたと思います。
沢木様は、普通だったらとってもいい人で、もしかしたらお駒とうまくいくかも!?と思わせておいて、実は女たらしで(笑)。
悪気があるわけじゃないのよー、決して。ただ単に自覚がないっていうか、天性の女たらしっていうか。罪な男よのぉ。だって、他にも女の子たぶらかして自殺未遂させてるんですもの。けしからんよ。
その他、お駒は実は弟子に惚れられていたり。その弟子のことを義理の妹が好きだったり。姉妹愛もあったり。本編とはあまり関係のないサイドストーリーがなかなか好みでした。
で、謎を解明したり最後には場を盛り上げるためのアクション(?)があったり。お駒は恋には破れたけれど、ちゃんとそれをフォローするようなエピソードもあるしねぇ。
てなわけで、結構面白かったです。

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