せっかくMVPを獲ったというのに・・・。

★『コールドゲーム』荻原浩（02・9）★★
中2の時、クラスのみんなにいじめられていたヒロヨシ。四年後、その元クラスメイトたちが次々と報復を受けていく。屋上から飛び降りさせられたり、家に火をつけられたりと、その手口は次第にエスカレートしていく。ヒロヨシの仕業だと見抜いた光也らは、ヒロヨシを捕まえようとするが・・・
という展開で、最後は「あらあら」ってな具合です。親の必死さとか、人間の身勝手な言動とか、色々考えさせられる内容となっておりますね。
直接いじめに加担していなくても、「知っていたのに何もしなかった罪」とかいうのが出てきて。
そういうのってよく言われるけど、下手に「やめろよ」とか言ったら自分にとばっちりがくるでしょう？
それでいじめの矛先が変わったら、今までいじめられてた人は「あーよかった」と思うだけじゃん。意味ないよ。
それについて主人公の光也くんは、「お前だって出来るのに何もしなかっただろ！俺だって怖かったんだよ！」とキレてます。彼もまた、いじめられっ子だったから。
ごもっとも。
そんなわけで、人間ってのはみんな自分のことしか考えてないってことだね。
結局、両親が行き過ぎてしまったせいで、ヒロヨシは死んでからも「いじめ」を世間から受けることに。人間の世界は、そういうシステムになっているんだよって話だったのか？これは。
負のエネルギーの話ですね。
あまり後味はよろしくないです・・・。