★『昨日の恋』北原亞以子/毎日新聞社(95・4)★
うなぎが触れないくせに、うなぎ屋の入り婿となった親分・爽太。どの話も短い。どれも男女の色恋ものだったかな?
決してハッピーエンドとはいえないが、罪を見逃してあげたりしているので、後味はよいかな。表題作は可哀想っていうより、「あほやん、こいつ」と思いましたが。(部外者から見るとあきれるだけだね・・・こういう思い込み激しい人って)
ブサイク同士の男女の話「残り火」は、なかなかよかったです。


★『新地橋〜深川澪通り木戸番小屋〜』北原亞以子/講談社(95・12)★★★
木戸番小屋のお捨て&笑兵衛夫婦を頼りにしてくる人々の話。
お節介な近所の男にイライラする左官職人の話「うまい酒」が割りと好きです。全く、鶴なんて折っちゃってー!私でもイライラしてくる人でした。
それから、ろくでもない男を取り合う姉妹の話「深川育ち」もなかなか。しかし、姉妹で男を取り合いますか?すごいドロドロな世界だね。私も二つ違いの姉がいますが、絶対男なんて取り合わないよ。ありえない。だって男の趣味が違いますもの。多分。そういうことにしといて。それにしても、19と17でお店切り盛りして、こんなに苦労してるなんて昔の人は大変だな。
偏屈じじいが勝手に拗ねてる話「鬼の霍乱」は、こういうじじい、いるいるー!って感じ。ひがみ根性がすごいというか、被害妄想激しいというか。年をとるとこうなっちまうんだわね。言葉にしないと人には分かってもらえないのに・・・
近所でも親思いで評判の若者の出自は実は・・・という話「親思い」は、かわいそうだったわ〜。こんなことなら、知らなかったほうがよかったんじゃない?信じてたことが根本から覆されちゃってさ。でも、根が気持ちの良い青年なので、大丈夫でした。ホッ。
ラストの「十八年」は、将来を嘱望されていた男と、みそっかす扱いされていた男の人生が、12歳から30歳の間の18年間で、逆転してしまった話。断然身寄りのない藤松の方が、人生うまくいってほしいよね。苦労してるし、いい人だし。人生ってのはどうなるかわかんねーってことです。
表題作の「新地橋」は、三角関係の話でした。


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